労災保険手続きガイド

何もかもが「不幸中の幸い」

私の職場は、養豚場です。女性らしさが活かせるからと、おもに繁殖(授精・出産・離乳するまでの子豚の世話)を任されています。
就職してから、飼料を運んだり廃棄物を片付けるのに、フォークリフトが使えた方が便利だろうと、免許を取りました。普通の車と違う操作が逆に新鮮で、いい気になって動かしていたのですが、ある日、間違ってバックに入れてしまい、農場内の法面を、5Mほども転落したのです。 後ろ向きに落ちたので、私は何もできず、ただ必死にレバーにしがみついていました。それで良かったのです。前向きに落ちていたら、本能的に脱出しようとして車の外に転げだし、下敷きになっていたかもしれません。こういう重機の事故では、それが一番危険なのだと、後から農場長に言われました。

もうひとつ「良かった」のは、操作技術が未熟だからと、大事な豚の運搬はさせてもらえてなかったことです。もう少しで、子豚を何頭も死なせるところでした。私は一人親方労災保険に埼玉で特別加入。

最後に労災保険です。20人足らずの小さな企業ですが、ちゃんと労災に入っていたおかげで、治療費や休業補償がもらえ、本当に助かりました。 じつは、事故直後は脳の損傷の心配がありましたが、手術の必要のない眼窩骨折ということで、1週間で退院できたのです。ところが後で鎖骨を骨折していることがわかり、療養期間が延びました。思ったより長い間仕事を休まねばならず、そのうえ最初に担ぎ込まれた病院が遠くて、通うのに交通費がかかるなど、経済的な不安が大きかったです。 他の科を受信したり、地元の病院に代わったりするたび、労災保険の手続きを更新しなくてはならず、面倒ではありましたが、安心して治療に専念でき、ありがたく思っています。