万一のときに労働者を守り支えてくれる
労災というのは労働災害のことですが、「労災保険」とは通勤をしている途中や仕事をしているときに怪我をしたり病気になったり、障害が残ったり死亡をしてしまった場合に、状況に応じて所定の給付金を受け取ることができる保険です。ですから仕事で荷物を運んでいるときに怪我をしてしまったような場合には、健康保険ではなく労災保険を利用するようになります。
労災保険は労働者が個人で入るものではなく、1人でも労働者がいる会社や事業所は必ず加入をしなければならないという決まりになっています。保険料も会社や事業所が全額を負担するので、労働者は一切保険料を払う必要はありません。会社や事業所が労働者に保険料を払わせることは、法律違反になります。
労災保険の給付を受けることができるのは「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」と定められているので、正社員かどうかも関係なくアルバイトやパートタイマーとして仕事をしていても給付金を受けることができます。また雇用期間も受給資格とは関係ないので、仕事を始めたその日に起こった事故や災害でも労災保険を利用することができます。
労災保険には療養給付、休業給付、介護給付、障害給付、遺族給付などさまざまな種類がありますが、病院などで医師の診察や診断を受けてから必要な書類を整え、請求書を「労働基準監督署」に提出するシステムになっています。自分はアルバイトだからとか仕事を初めて3日しか経っていないから労災保険を受けるのは無理ではないかなどと考えず、通勤中や仕事中に怪我などをした場合には、労災保険の手続きにより、給付金を請求することが大切です。